1979

CARS/GARY NUMAN
/FROM PLEASURE PRINCIPLE(GARY NUMAN)
 荒涼としたシンセの音がすべてである。シンセのかかったようなベースのリフに、荒涼としたシンセの音がかぶさる。こんな音像は、「ヒーローズ」のフリップのギターか、「未来への鼓動」のヤニックトップのベースか。この音との出会いは、衝撃的であった。何か未来の音、新しい音を聞いたような気がしてすごく興奮をしたことをおぼえている。
 「LED ZEPPELINのIN THROUGH THE OUT DOORを蹴落としたすごい作品、10年前にABBEY ROADをTHE COURT OF THE CRIMSON KINGが蹴落として70年代が始まった。今度のは、ゲイリー ニューマンが80年代を開く」みたいなコマーシャルされていた。「すごいんだこの人」と思ったが、この作品以上のものはもう作り出せなかった。しかし、この音と似たような曲やコンセプトがこれがも続いてでてくるのである意味新しい時代の幕開けになったのかもしれない。
 白塗りのメイク、神経質そうな顔、それなのに厚ぼったい唇、何か気になる顔をしている。今は何をしているのだろうか?
 あのシンセの音は、時代が生み出したものなのだろうか?一音聞くだけで情景が広がって来るというのは、素晴らしいことだと思う。
(2000年12月27日)

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